天珠の用途

天珠はなぜ作られたのか、未だ謎な部分ですが、先にも述べたようにお守り、呪術的な道具、階級などを表す印、権力者の象徴、他にも宗教上の修行の道具、薬材や貨幣(トレードビーズ)などが考えられますが、出土数などから考えると、お守り、薬材および貨幣(トレードビーズ)であった可能性は極めて低いと思い、この3点については追及しないことにする。ただし、仏教伝来以降の天珠の利用方法としては、チベット医学書「四部医典」に薬のひとつとして天珠が掲載されている。また、少数ではあるが交易品として輸出された形跡もあるようで、アフガニスタンやネパールなどのヒマラヤ圏で出土されることがある。